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  • 執筆者の写真Kei Tomoda

ステークホルダーに貢献できる経営のヒント


ソフトバンクの「あなたはひとりじゃない」事業


2023年1月末にソフトバンク株式会社は、孤独・孤立に関する支援制度や相談先などについて情報発信をするために内閣官房が開設したウェブサイト「あなたはひとりじゃない」の周知に協力することになったと発表した。


携帯料金の支払いが遅れている契約者を対象に周知するものだが、携帯電話が社会のインフラとなっていることをうまく活用する官民連携事業といえる。

一方で、携帯電話業界はいまや飽和産業で、格安モバイルなどの導入もあり、パイの奪い合いが続いている。

その中で、社会的に困難を抱えている顧客を守ることで、業界での生き残り戦略を向上させようという取り組みとも理解できる。



地域の「水」を守る酒造会社


ソフトバンクが顧客を守ることで企業価値の向上と生き残りを目指しているとすれば、地域の環境を守ることで企業価値の向上を目指している例もある。

弊社がお手伝いさせて頂いている白鶴酒造をはじめとした灘の酒造会社は、協力して、六甲山系の「水」を守っている。

水質や水源の管理をして、持続可能な水脈を維持していかないと酒造りのビジネスは続けられない。一方で、地域の酒造会社が環境を維持してくれることは、当然、地域貢献である。

企業が中長期的に稼ぐことと、企業の身近にある環境が持続可能な状態にあることが同時に実現されている。



「つくる責任・つかう責任」


SDGsの目標12に「つくる責任 つかう責任」が掲げられている。

持続可能な消費と生産を構築するための目標で、「つくる」生産者から「つかう」最終消費者まで、あらゆる人々を巻き込んだサプライチェーンを重視する。

企業が持続可能な社会のためにつくる責任を果たし、消費者が持続可能な社会のために消費を理解し、社会に参画することを期待されている。


日本では高度成長期を経験したため、モノが大量に生産され、人はそれを大量に消費してきた。

しかしこれからは、社会に貢献するモノ・コトを作り、消費者はそうした付加価値があるモノ・コトを上手に使うことに価値がシフトしていく。


白鶴の水資源の保全やソフトバンクの取り組みは、企業が社会の一員としてどのような貢献を果たすかの良い例を提示していると思う。



ステークホルダーは身近にいる


複雑化・多様化する社会課題に取り組むため、スタートアップ企業の貢献が期待されているが、社会課題の解決を目的とした事業が自走し、成長していくにはまだまだ困難も多い。


一方で、弊社が主に地方で中小企業の経営支援をして実感するのは、地方の中小企業こそ、地域課題の解決に一番貢献できるはずだということである。

むしろ、グローバル企業のようには市場が拡大していかないローカル企業では、身近な社会課題に取り組まない(社会貢献していかない)と経営がたちゆかない。

また、株主への還元が重視される大企業と違って、中小企業ではより中長期的な経営戦略がたてやすく、社会の変化を見通した改革も実行しやすいという点は見落とされがちだ。


「誰一人取り残さない」SDGsの実践や、事業に関わるあらゆる関係者への貢献を目指す「ステークホルダー資本主義」が称揚されているが、そのヒントは実は身近にあるといいたい。


地方の中小企業にとっては、従業員や顧客、取引先やコミュニティといったほとんどのステークホルダーが地域社会の中に存在しているというケースが多く、経営基盤と社会の安定は密接な関係にある。



今こそステークホルダー資本主義へ。

自社の事業に関わるステークホルダーの困り事は何か。

そこにアンテナを張り、困り事の解決方法を考えることから始めてはどうか。



そうして企業が社会化すれば、価値が認められ、共感が集まって、社会に必要とされる企業して生き残っていけるのだと思う。




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