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執筆者の写真Kei Tomoda

【コラム】企業のサスティナビリティ向上のために必要な視点


以前の記事で簡単に紹介したとおり、弊社代表の友田は、市議会議員時代に、多様化する社会問題のすべてを行政が担う限界を痛感しました。

そして、ビジネスの分野で社会課題解決を目指すため、中堅企業の再生や事業承継に従事することになりました。そこで、倫理観や道徳観に欠けた企業が社会問題を引き起こしている要因の一つであると実感しました。


この経験から、CSR(企業の社会的責任)の重要性を認識し、企業のサスティナビリティ支援に取り組むようになりました。



名ばかりCSRやSDGsの横行


CSRといっても、企業が良いことをしていると前面でアピールする一方で、従業員が犠牲になっていたり、取引先やお客様、あるいは環境が犠牲になっていたり、という話はよくあることです。CSRウオッシュやSDGsウオッシュと呼ばれるものです。


大手企業ほど、社会貢献活動の内容や規模がしっかりしていますが、CSR担当部署の位置づけが低かったり、他部署と連携できていなかったり、ということもよくみられます。

また日本では、CSR報告書や統合報告書の中身を見ると「環境問題」への取り組みが非常に多く、他の部分が軽視されているようにも感じます。これは、日本の高度経済成長期に公害問題が社会問題となり、大きなニュースになったことに起因していると考えます。


一方で、明確に法令違反ではないものの、社会的・道徳的・倫理的にみてどうなの??と疑問符が付くケースも多く、昨年も何例かニュースに取り上げられました。

グルメサイトの評価方法についてや、ロシアから撤退した日本企業の権利をめぐる問題、ウィグル綿をめぐるアパレル企業の対応etc..

すべて、社会に対して企業がどうあるべきかを考えさせるニュースでした。

社会情勢や事業環境の変化に適応できないと、企業価値が損なわれ、衰退していきます。

規制されていない、法律にないからいいでしょ、では社会はよくなりません。



CSR(Social Reponsibility)=Response+ablitiy


CSRは企業の社会的責任と訳されていますが、Responsibilityとは本来、Response(対応)+ability(能力)であり、企業の社会的対応力といった方が適切だと考えています。


国内の企業が、CSRという概念を採用してから久しいですが、昨今は、CSR担当部署や報告書を「サスティナビリティ」に書き換えている企業が目立ちます。

その内容も、環境メインから、ジェンダーやダイバーシティなどの社会的な取り組みも含まれるようになっています。

CSRに取り組むこと、つまり、社会のさまざまな変化への対応力を高めていくことが、企業のサスティナビリティ向上につながり、社会課題の解決にも貢献していけるという考え方の証左ではないでしょうか。



破綻する企業の特徴:”あたりまえ”のレベルが低い


友田は事業再生に携わるなかで、たくさんの「ダメ」な企業を見てきました。

破綻する企業は、労務管理や金銭管理など、社会一般の「あたりまえ」のレベルが非常に低い。


「あたりまえ」とはどういうことか?

それを問うていくことで、その企業や業界の「あたりまえ」が見えてきます。

慣習(あたりまえ)などにしばられていると、新しい価値は生まれません。

変化に対応できずに衰退していきます。

変化への対応力を向上させるためには、「あたりまえ」をアップデートしていくことが不可欠です。


「あたりまえ」とは、「価値観」と言い換えていいと思います。

時代と共に変化していける組織(企業)でない限り、その組織のサスティナビリティはあり得ません。


完璧な組織などありえない訳ですから、アップデートを止める訳にはいきません。

当たり前や価値観とは、パソコンに例えると土台となるハード部分になります。

その際に気を付けたいのが、OSのアップデートは続けているが、ハードのアップデートができてないばかりに機能しないことが起こります。それと同じことが企業の組織内でもよく見かけます。


組織の持つあたりまえや価値観を一定期間には、必ず見直していくことは非常に重要だと感じています。

理想を言えば、常に変わり続ける企業であるとサスティナビリティは高まると感じています。

たとえば、事業環境の変化に応じて、事業の中の3%を毎年違うことにあてることは、そんなに高いハードルではないはずです。それを30年続けると、30年後には現在から90%違うことができている。事業構造が変わっているのです。

それが企業のサスティナビリティにつながると考えています。

逆に、毎年3%の変化を取り組めない企業は、じり貧になっていきます。


または、いきなり改革などを行っても、変化への耐性がないため、非常にハードルが高くなります。毎年3%という小さな変化を起こすことができると、変化への耐性ができ、組織が変化することに迷いがなくなります。


企業のサスティナビリティ向上のために

変化が目まぐるしい現代社会において、企業が変化に対応していきながら経営基盤を安定させる。

その好循環を生み出すためには、


自社の慣習に縛られていないか。しがらみに束縛されていないか。

社会的・道徳的・倫理的にいまの世の中の基準からずれていないか。

自分の会社は何ができるか。

本当に必要な人に届くサービスは何か。困りごとを解決できるか。

自社内だけの小さな世界ではなく、世の中の役に立つか。


を追求していただきたい。

必要であれば、古いものは手放し、新しいものを積極的に取り入れる。


社会の変化への対応力を高めることで、新しいサービスや価値を繰り出す生存戦略とイノベーションがうまれ、企業の持続可能性にもつながっていくと信じています。


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