• Kei Tomoda

【コラム】人材不足・採用難に悩む会社(中小企業)がすべきたった1つのこと

更新日:2021年12月24日

少しずつ日常を取り戻そうと動き出している。

コロナ前の日常にはもう戻れないのは自明のこと。

afterコロナを見据えて、人材の募集も活発になり、少子化の影響で人材不足も再燃してきた。


コロナ後のニューノーマルを構築していくにあたって、これから私が力を入れていきたい取り組みの一つは「ビジネスのソーシャル化」であり、「会社のソーシャル化」だ。

近年、「ソーシャル(社会問題)のビジネス化」いわゆるソーシャルビジネスに注目が集まっている。だが、ここで述べるのは、それではなく、『ビジネスのソーシャル化』であり、「会社のソーシャル化(社会化)」である。


▼ソーシャルビジネスとは

社会課題をビジネスの手法で解決することで収益を上げる事業のことを指す。 し、さらに新たな社会的価値を生み出すことを目的とする。



会社のソーシャル化とは


「社内でソーシャルビジネスを立ち上げるのを手伝ってほしい」と声をかけていただく機会があるが、それだけでは本当の課題解決にはつながらないと思っている。


環境問題、女性の社会進出、子育て、介護、LBGTQ、貧困問題など、これらの社会問題は、実は企業(会社)のあり方が原因となって、引き起こしているものが多い。

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先日、このニュースに対して、友人の女性が、「両立は女性の問題だけではなくて、男性の問題でもあるでしょ!だからいつまで経っても解決できない」っと憤っていた。

子育てや介護の問題を考える場合、「女性」の問題として認識され、取り上げられる。


家事代行サービスや託児サービス、時短といった制度が、おおよそ女性のみを前提に、設計されていないだろうか。 そのこと自体が、性別による役割分担意識であり、「差別であり、社会問題を生み出している」という認識を経営者や管理部門の責任者が持っていない場合がほとんどだ。

今回の例で言えば、子育て・介護・家事等を主に女性がやるものという考え方自体を会社からなくし、男性も女性も関係なく、同じように担当するのが当たり前という会社が社会の大半を占めなければ、この問題は解決しない。


ソーシャルビジネスは大事だが、ソーシャルビジネスだけでは、社会課題は解決しない。



会社のソーシャル化に取り組み成功した事例


会社のソーシャル化に取り組み、大幅に業績がアップ、さらに右肩上がりという会社を紹介したい。

愛知県瀬戸市にある大橋運輸株式会社は、中小企業だが、私の知る限り前例を見ないほどに社員を大事にしている会社のひとつだ。


大橋運輸の取り組み

■背景

運送業である大橋運輸では、10年以上前から人口減少化による社会構造の変化に対応するため、より付加価値のあるビジネスを展開する必要があると考えていた。


10年前は、大手運送会社の下請けの仕事が8割以上。

今後の時代に備えて、付加価値のあるBtoB業務と地域の課題に対応するBtoC業務を強化していくためには、それを担う従業員が必要となる。


✓いい人材を採用するには、どうすればよいか?

✓どうすれば社員に健康で、長く働いてもらえるか?


人口減少の成熟化社会は、ニーズも多様化すると考え、そのためには人材の多様性も必要だと思い、ES(従業員満足度)に加えて、ダイバーシティ経営に舵を切る。



■取り組み

この会社が取り組んだのは、「徹底的に社員を大切にする」ことだった。

ES向上は福利厚生の向上、資格支援など社員の成長支援、社員が健康に長く働けるように健康経営に取り組む。


ダイバーシティ経営は、女性活躍からスタートし、子育て期の人でも働きやすいように、週3勤務、1日4時間から採用。(人に仕事を合わせる)

また、業務内容も事務だけでなく、安全・企画・営業・業務と幅広く女性を登用した。


大橋運輸のホームページを見てもらうと、他にも大橋運輸の取り組みが分かる。

・LGBTQ理解への取り組み ・ダイバーシティ&インクルージョンを意識した人事制度 ・ワークライフバランスの取り組み障がい者の活躍サポート

・高齢者の活躍サポート

・外国籍労働者の活躍サポート

・カムバック&正社員登用制度 etc・・・ 挙げたのは、ほんの一部であり、ホームページには、7ページにも渡って会社の取り組みが紹介されている。 これを見てどう感じただろうか? まちがいなく「働きやすそうな会社だな」と感じたはずだ。


現代社会に存在する、あらゆる「差別」・「偏見」に起因する”働きにくさ/生きづらさ”というものを、自社から徹底的に追放し、制度によって、これまで社会や企業が取り残してきた人たちを迎え入れ、働きやすさを企業として保障したのである。



■結果

同社は、10年前は下請けが8割以上だった仕事が、現在は下請け比率5%以下になり、多様な人材が活躍している。


短時間の社員も管理者に登用し、正社員(長く働くこと)が管理職でなく、職場環境や事業の付加価値を高める人が、管理職と意識改革を進める。今では男女均等に管理職が在籍しており、会議や委員会も多様なメンバーでの運営となっている。

多様な人材が増えることで、サービスや事業付加価値が高まり、地域活動も増えている。


まさしく人材は「財を成す人」であり、同社の鍋嶋社長は、”人材”という言葉を使わずを“人財”と使う。


現在は、「仕事と人生を楽しく」をテーマに社員が頑張りすぎない仕組みを増やしている。運転と同じでスピードが上がると視野が狭くなり、仕事も心の余裕を持つことが、改善やいいサービスの提供に繋がると信じている。


まさに会社が1つの社会のように形成され、1つの政府が法律を制定し実行しているように機能している例だ。



■何をやったのか?

  • 社員の働きやすさのためになる制度を整えた

  • 社内における取り組みを社外に対してオープンにした

たったこれだけのことかと思われるかもしれないが、新しい仕組みを設計し、実行することは、どんな会社にとってもそう簡単ではない。


しかし、大橋運輸はそれらを実行した。中小企業が生き残るために。そして、その行動は、見事結果につながったと言える。 素晴らしい取り組みだ。



人材不足・採用難の会社が、今すぐやるべきこと


コロナ禍を乗り越えて、経済が再び動き出そうとしている今、人材の確保は急務だ。

この2年解雇や業務縮小で耐えてきた働き手が、一斉に働く先を探し始めている。 コロナを経験し、私たちの価値観や判断基準は大きく変わった。


コロナ以前の「働き方改革」によって働く環境に対する意識の変化は生まれたが、コロナ後においては、更に意識の改革が加速している。


しかし、多くの中小企業や地方の企業は「働き方改革」「コロナ禍」に合わせたニューノーマルな働く環境づくりへの対応の難しさを感じているのではないだろうか。


よい人材に、長く働いてもらいたいと考えるなら、まずは今いる社員のために・次に/これから入ってくる社員のために、この会社で働いてよかったと思えるような、制度や風土を徹底的に考え、整えることから始めてほしい。 経営陣だけが幸せな会社では選ばれない。


「社員の幸せを守る」という企業意識を全面に打ち出せるなら、人材は向こうからやってきてくれる。



経営者にとって、SDGsは「会社のソーシャル化」である

時代は、SDGsブームである。

「SDGsは、何を、何から取り組んでいいのか、わからない」という声もよく聞く。


そのような企業は、まずは、社員が働きやすい・働き続けたいと思える会社を作ることから始めてみてはどうだろうか?社会問題は、すぐ足元に転がっているし、SDGsの根本はそこから始まっている。


1つ1つの会社が、社内にある社会問題を徹底的になくしていくという視点を持てば、それは社会にとって非常に大きな意味を持つ。従業員のみならずその家族や親しい人たちにまで影響する。


この動きが拡がっていけば、社会問題は少しずつなくなっていくのではないかと思う。


そして、企業には、よい人材が集まり、業績が上がり、結果また社員へ還元されるという循環が生まれると、企業価値は当然高まっていく。

SDGsと難しく考えずに、足元から従業員が働き続けたくなる会社を目指して、取り組んでもらいたい。それが結果として、企業価値にも結びついていくはずだ。

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