• Kei Tomoda

【コラム】最優秀メンター賞の舞台裏 ~ビジネスの磨き方~

更新日:2021年12月24日


弊社は、ビジネスのアイディアを形にして、世の中に仕掛けることを得意としている。 ビジネス戦略だけでなく、立てた戦略に対しそれを実行する「プレイヤー」として動くこともする。


クライアントの不得意分野をカバーする役目を担うという点で、「何が足りないか」をいつも考えている。

売上・利益をつくるところまで伴走・サポート出来るプレイヤー型コンサルタントでありたい。



ユヌス&ユー ソーシャルビジネスデザインコンテスト(YYコンテスト)のメンターを務めました


縁あって、ユヌス&ユー ソーシャルビジネスデザインコンテストでメンターを務めさせていただいた。 担当させていただいたお二人が、70名(チーム)以上の中からグランドチャンピオン大会のファイナリストとなり、さらに一人は優勝という快挙を成し遂げられ、なんと私はベストメンター賞をいただいた。

▼最優秀メンター賞を受賞! https://www.biz-design-osaka.com/post/yyc-mentor

今回は、その舞台裏について書いてみたいと思う。




いつでもどこからでもきっかけはやってくる


ユヌスビジネスコンテスト2021のメンターをやらないか、とお声がけをいただいたのは、別の仕事でご一緒した企業の方からだった。



七尾街づくりセンターの仕事で、実施した共創型ワーケーションの場に参加いて頂いた企業の方からのお声がけだった。

ワーケーションイベントは、企業と七尾地域が連携し、新規事業を立ち上げるためのリサーチを目的として開催したのだが、その参加企業の新規事業開発部門の担当者として来られていた。

本業に加えて、ユヌス&ユー ソーシャルビジネスデザインコンテストにも携わっているとのことであった。


ユヌス&ユー ソーシャルビジネスデザインコンテストとは


…ソーグラミン銀行創設者で2006年ノーベル平和賞受賞者であるムハマド・ユヌス博士が提唱する、ビジネスを通して社会問題を解決するソーシャルビジネスの学習と実践を両立する日本で唯一のビジネスコンテスト。 若者による革新的なソーシャル・ビジネスの創出を目的とし、これまでの開によって、自立的・持続的に社会的課題を解決するビジネスを創出している。


このコンテストでは、応募者にメンターがついて伴走する取り組みがあり、そのメンターを担当させていただくことになった。



ボランティアでも引き受けた理由


「ソーシャル=社会問題の解決」と「ビジネス=利益の追求」の両面を支援するのが弊社の得意分野であり、今回まさに弊社の得意とする領域ど真ん中のオファーだった。


YYコンテストのメンターは、ボランティア。

普段は報酬をもらってやっている仕事なので、お声がけ下さった方はボランティアで恐縮されていたが、社会貢献という意味合いもあり、問題なく引き受けさせて頂いた。


声をかけて下さった、ということは期待されているということ。

その期待に応えたいという想いはあった。


一方で、これまで所属したことのないユヌスという場で、その世界やコミュニティを見てみたい、感じてみたいと思ったというのもあった。


一口にソーシャルビジネスと言っても、場所が変われば、そこにしか存在しない様々なヒト・コト・モノがある。ソーシャルの種類も違うだろう。

これまでにない専門性を高めることが出来るかもしれない。

新しい知見を得られることにも期待できる。


ビジネスの成長には「越境」から得られる刺激こそ一番の糧だと、これまでの経験上感じているので、メンターとして、応募者に刺激を与える役割を担いつつ、私にも新しい知見や価値観に触れるチャンスだと捉えた。



ミッションや理念に共感できるか


ユヌスの理念に共感したというのも引き受けた理由の一つだ。


ユヌス&ユー ソーシャル・ビジネス デザインコンテスト ビジョン・ミッション

https://www.yycontest.org/114597.html


一般的にビジネスコンテストと言えば、参加者が一人で参加するものだが、YYコンテストはメンター制度がある点で、本気でビジネスを生み出すという意思を感じた。


コンテストに勝つことが大事なのだが、実際に出来たプランを元に、応募者は、次にビジネスをスタートするべく行動していかねばならないからだ。


メンターとして大事なこと


ブログでも簡単に触れたが、メンターの役割は

  • 様々なアイディアから、可能性を広げる

  • ワクワクして夢中になれるようにビジョンとミッションを探す

  • 勇気を出して、一歩進めるように背中を押す

初期段階では、上記の3つが大事。


最初は兎に角、ビジネスについて、突き詰めて考えられるようにサポートすること。

段階が進んでくれば、事業計画の策定など、もっとテクニカルな部分も必要になってくるだろう。


コミュニケーションは全ての基点


とにかく話をする。 対話が大事。

それに尽きる。


何を大事にしているのか

何を実現したいのか

何を守りたいのか


価値観や判断軸はどこにあるのか


じっくり話を聞いていくと、プランの中に込められた想いや、大事なのに見えていないストーリーがある。


思いつくまま話す中で、本人が自ら気づくことも、ひらめくことも全てがビジネスプランに生かされる。


私はほんの少し手を貸すだけだ。

応募者の頭の中にない部分についてだけ、助言はする。


本人が努力の上に答えを見つけられるよう導ければと思っている。


そして「どうやったら思いがエスカレートしていくか」を徹底的に追求することをやる。


想いからスタートしたビジネスプランの次のフェーズに必要なのは、規模感とボリュームだ。いかに早く、より多くの人に届けるか。 目の前の何人かを助けるだけでは世の中を変えていく力にはならない。

近しい人だけに向けた課題解決ではなく、その他大勢を助けてこそビジネスとして成り立つ。


今回実施した詳細は、だいたいこんな感じだった。

 

 期間:2021年6月13日~11月7日、約5か月弱

 実施頻度:月1.2回

 実施回数:5~8回


ビジネスコンテストで課せられる宿題があり、その宿題を手伝うのが主なサポートで、ビジネスプランをブラッシュアップを一緒にやっていった。 宿題を提出するのも、コンテストに勝つためには必要なことではある。 が、コンテストの後がビジネスの本番であるということは忘れてならない。


ここで、担当させていただいた2人のビジネスプランを簡単に紹介する。


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ファイナリスト:小原瑠夏さん

『同じ悩みを持つ人と企業が一緒に立ち直れるレジアップ』

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小原さんのプランは、性被害者など心に深い傷を負った人の立ち直りを支援するビジネス。心に深い傷を負った人は、社会復帰することに大きなハードルがあるため、そのハードルを少しでも下げられないかと、自身も当事者である小原さんがチャレンジしている。


社会問題の中でも、取り上げられにくい問題にスポットを充てており、どうやってビジネスに落とし込んで行こうか、と当初から物凄く議論を重ねました。


小原さんは、探求心があり、類似のサービスのリサーチなど徹底的にに行うことで、何が当事者にとって有効な手立てとなるのか、またマネタイズするキャッシュポイントをどこに置くのかを重点的に一緒になって考えました。


特に議論したポイントは以下のふたつ。

①当事者の心理的安全をどのように確保するのか?

②企業がお金を出しやすくするビジネスモデルをどう設計するのか?


チャットを通じて、当事者や経験者、専門家などが、互いに意見し合える関係性を作りながら、立ち直りを促進する。なので、当事者がいかに多く集めることができるかが、重要なポイントで、深堀して議論しました。


また、当事者から発せられた言葉をデータマイニングなどにより、集約化することで、企業が自治体が欲しい情報として、加工分析するビジネスモデルに落ち着きました。



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グランドチャンピオン:前田哲平さん

『キヤスク』

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前田さんのプランは、既成の衣服を着用しにくい、身体障害者など身体的な悩みを抱える人向けの衣服を、企業と連携して、仕立て直したりして提供したいというものだ。

「これは世の中に必要なものだ」という熱い想いがこもっていた。


前田さんは既に起業しており、ビジネスをどんどん進化させ、回していく必要があった。

プランとしてはほぼ形が出来ていたということもあって、どちらかと言えば、マインドの部分でたくさん対話を重ねたと思う。


前田さんは人柄もよく、非常に真面目で一本気な面があり、なかなか慎重な側面があった。

「とにかくやってみよう!」 「ワクワクするようなビジネスモデルにしよう!」と声をかけた。

当事者がワクワクするプランでなければ、本人のビジネスとして続かない。

ビジネスプランについては、次の2点を提案。 ①オーダーメード から 量産へ ②着心地重視に加えて おしゃれで、デザインとして優れているものでブランド化する そもそも、着る人を限定しなくても、誰が着てもいいんじゃない?


前田さんの立ち上げた「株式会社コワードローブ」という会社のホームページをぜひ見てもらいたい。


既製服を着たくても着られない理由も、本当はそういう人こそ身にまとう衣服にこだわりがあるということが丁寧なインタビューで紹介されている。

https://co-wardrobe.com/




お二人ともそれぞれが注目した社会問題と、その解決につながるビジネスとしてのプランが素晴らしいものであったのは間違いない。


困っている人がいて、その困りごとがビジネスを通して解決されるイメージがすんなり浮かんだ。


しかし、ビジネスとは「売り上げを上げる」ということ。

ソーシャルビジネス=社会問題の解決というと、ボランティアになってしまいかねない危うさをはらんでいる。



夢物語ではない。理想や願いで終わらせない。


そのビジネスへの想いが強いほど、その想いだけで走りがちだ。

起業家として、持つべき「スタンス」「あり方」の確立を促せたらと思っている。


が、身の回りで成り立つような規模のビジネスではもったいない。

継続してビジネスを回していくためには、収益と持続性を現実のものとして意識付けし、地に足を付けた形に落とし込むことがメンターの大切な役割だと認識している。


ビジネススキルやテクニックは大切だ。

しかしそういったハード面では解決出来ない部分を、サポートするのが私のメンターとしてのスタンス。


自信を持ってビジネスの本番を迎えてほしい。

しかし、それをゴール設定としてほしくない。



まとめ・感想


メンターは疑似体験ができる。

メンターとしての経験を通じて、私自身も多くの社会課題を知ることができ、その解決を一緒に考えることは、ケーススタディになった。新しい発見やビジネスの可能性を学ぶことができたのは、またひとつ引き出しが増えたと感じている。




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